ペンダント~夢からわかる過去の真実~






でも、今なら。


今ならはなせる気がする。


私は深く深呼吸をし、お母さんに向き直った。


「私の過去についてのはなしをしていました」


お母さんが息を飲んだのがわかる。


ついに、ついに言ってしまった。


もう言ってしまったのならば引き返せない。


私は決心して聞いてみた。


「私って、過去に1回記憶喪失になったことがあるよね?」


これを言った瞬間、お母さんの足取りが止まった。


私はこの行動を肯定と認識した。


「やっぱりそうなんだね。ねぇ、なんで教えてくれなかったの?」


「......」


「なんで私の過去について、教えてくれなかったの?」


「......」


またお母さんの黙りループがはじまった。


「答えてよ。答えてくれないとわからないよ」
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