意地悪上司は私に夢中!?
「悪いけどもう限界だから」

顔を離した永瀬さんの目はいつもと違って色っぽくて、鼓動が跳ねる。

「キャッ…」

永瀬さんは私を軽々と抱き抱え、寝室のベッドにおろした。

ちょっとダイエットしとけばよかった、なんて思う私。

「さんざん待たされたから、泣いても途中でやめない。覚悟しろよ」

永瀬さんはそう言ってまた唇を押し付け、舌を割り込ませて官能的なキスを繰り返す。

たまらなく愛おしくて、私も夢中で永瀬さんの背中をぎゅっと抱きしめた。

永瀬さんは吐息を漏らしながら唇を離したあと…

「…イタッ」

私の胸の上に、吸い付くように歯を立てた。

「永瀬さん…?」

チュッとリップ音を立てて永瀬さんの唇が離れる。

「これでお前は俺のもんだ」

ニヤッと笑う永瀬さんを見て、それから胸に目を落とした。

キスマーク…

「当分落ちないと思うぞ。
浮気できねえからな」

…本当、子供みたい。

なぜか得意げな永瀬さんにクスクス笑った。

「浮気なんかしないですよ」

一つに重なった体はとても温かくて、世界で一番幸せだと思った。

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