意地悪上司は私に夢中!?
今度は私が守る
気持ちが通じ合った夜から数日が経ち、私たちは今までのようにやりとりができるようになった。

「鈴原。これ今日中に数値化」

「今日中?無理に決まってるじゃないですかっ」

「そのくらいの勢いでやれって言ってんだよ。
何回言っても学ばねえなあお前は」


…ムカつく。

隣で時田さんがクスクス笑う。

「やっぱり2人はこうじゃないとつまらないですね」

「こうじゃないとってなんですか」

時田さんは意味ありげにニヤリと笑った。


お昼休みは社食で戸田さんと花と待ち合わせをした。

「永瀬さんと仲直りしたのー?」

先に着いた私が待っていると、戸田さんはトレイを運んできながら開口一番そう言った。

戸田さんの後ろからついてきている花も興味津々の様子。

「別にケンカしてないですってば」

「やっぱり2人の声が聞こえないと違和感ありますよね」

花がそう言って戸田さんに目を向けると、戸田さんは大きくうなづいた。

「うちの課の名物だからねー。2人の掛け合いがないと、なんか課全体が暗い感じになっちゃう。雰囲気よくしてもらわないと」

「私そんな大きな役割担ってるんですか!?」

2人は声を上げて笑った。



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