独り占めしても、いいですか?
ドアの閉まる音を聞いて、私は部屋に戻った。



自分のベッドの場所に戻るべきか、凛の近くに行くべきか迷って、立ち尽くしていると、



「日和、ちょっといいか」



凛が声をかけてきた。



久しぶりに目があった気がする。



「うん…」



私はベッドに腰掛ける凛の隣に座った。



いつもより、少しだけ距離を置いて。



しばらく沈黙が続き、それを破ったのは凛の方だった。



「……悪い、あんなことして」



下を向いたまま、凛がつぶやくように言う。



「そんなの、もう気にしてないよ…!」



正直、凛がキスしようとしたことなんて、あまり気にしてなかった。



きっと何か自分の中で理由があって、仕方なかったんだと思うし、未遂だったし…



そんなことより、凛が私のことどう思ってるのかの方が重要だった。



嫌われてないかの方が心配だった。


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