独り占めしても、いいですか?
「ったく、心配させんな」



2人が完全に見えなくなると、凛が私の肩をパンッパンッと払った。



さっきあの人達に触れられたところ。



「他の男になんか触らせんなよ」



なんとなく、イライラしているように見える。



さっきまで『話し相手になってくれてありがとう』なんて言ってたのに…



あれは建前…?



「そういえば、時間が無いって言ってたけど、何かあるの…?」



特に予定は思い当たらないけど…仕事かな?



「あ?

…あー、あんなの嘘に決まってんだろ?」



部が悪そうに頭を掻いた。



あ、私を助けるために嘘ついてくれたんだ。



ファンの人に嘘つかせちゃったな。



『ありがとう』とは思いつつも、やっぱり少しだけ申し訳ないような…



「何もされてないか?」



再度確認するように私の全身を見渡して言った。



「うん、大丈夫だよ」



「…よし、ならいい!」



ドキドキした私の心を落ち着けるように、しばらく頭を撫でてくれる凛。



それだけでホッとする。



「んじゃ、俺ファンの所に戻るな」



「うん、ありがとっ」



私は走っていく凛の背中に手を振った。



改めて見渡してみると、いつの間にか4つの行列ができていて、各自サイン&握手会みたいなのを成立させていた。



凛はそれを抜け出してまで助けに来てくれたんだ。



もう迷惑かけられない。



4人がみんなの気を引いてる今のうちに、どこかへ隠れないと…



いっそのこと門の外で待っていようかな…って思って門の方を振り向くと…


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