独り占めしても、いいですか?
「日和、行っちゃダメ。

ミスコンなんて出なくていいから、ここにいるの」



朱莉が私の手をギュッと握った。



「ちょっ、そんなの困るって!」



「そうだよ、ひよ姫様が出てくれないと私達のクラスは不戦勝に…」



萌ちゃんと咲良ちゃんがもう片方の手をグッと引く。



私は3人のなすがまま。



何もできない、何も言えない。



みんなの足手まといになって終わり。



みんなは私が文化祭を楽しめるようにいろいろ協力してくれたのに。



私はみんなのために何もできないままおわるの…?



「日和は夏にあったInfinityとSunlightのステージに立って倒れてるんだから!

それなのに無理しろって言うわけ⁉︎」



朱莉が私のことをかばってくれる。



なんで私の周りには、こんなにも優しい人しかいないんだろう。


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