独り占めしても、いいですか?
「日和」



後ろから名前を呼ばれて振り返る。



「秀ちゃん…!どうしてここに…?

あっ、その前にミスターコンお疲れ様っ!」



『観てない』なんて言えない私は少し罪悪感を覚えた。



「うん、ありがとう。

日和は観てなかったみたいだけど」



うっ…バレてる…



「ど、どうしてそれを…」



「観客席にいなかったからね。

多分みんなも気がついてるよ」



もう、なんだか、さすがとしか言いようがない。



観客の人数すごかったからバレない可能性あると思ってたのに…



まさか気づかれてたなんて…



「ごめんね、朱莉やシェリーちゃんと遊んでたら夢中になっちゃって…」



「ははっ、別に怒ってないよ。

初の文化祭なんだから好きに楽しみなよ」



「ありがとう…」



やっぱり秀ちゃんは優しい…



けど、他のみんなには何言われるか…


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