独り占めしても、いいですか?
「さぁ!次はお待ちかねのひよ姫だよ!

エントリーNo.10番 雛咲 日和ちゃん、ステージへどうぞー!」



いつのまにか私の順番が来ていたみたいで、優ちゃんが名前を呼んだ。



「うそっ、もう私の出番…⁉︎」



慌てて手に持っていた紙を折りたたみ、制服のポケットに押し込む。



アピール何するか決めてないけどどうしよう…⁉︎



……仕方ない、ピアノにしよう。



楽譜もないけど…昔弾いた曲なら多分覚えてる…!と、思う…



よし。



そしてステージに行こうとしたところで…



あれ…、そういえば助っ人の人は…?



まだ来てないみたいだけど…



「日和、早く行かないと」



「あっ、うん、そうなんだけど…

助っ人の人がまだ来てなくて…」



どうしよう、待ってる時間はない。



こうなったら1人で…



「それなら大丈夫」



そう言った秀ちゃんがそっと私の手を引いてステージに連れ出す。



「俺がその助っ人だから」



え…?



えっ…⁉︎


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