独り占めしても、いいですか?
「え、えっと、私は…ピアノを…」



「あ!間に合った!」



「え…?」



秀ちゃんがカーテン裏の方に向かって手を振っている。



間に合ったって…何が?



ジッと見つめていると、薄暗い中から現れたのは…



「ごめん、お待たせ!」



「探すのに時間かかっちゃって…!」



萌ちゃんと咲良ちゃんだった。



2人が手に持っているのは…



楽譜に譜面台…と、ヴァイオリン…?



それに…ボール…?



秀ちゃんは2人から4つを受け取って「ありがとう」と微笑むと、それを私に差し出した。



「パフォマンス、日和はヴァイオリン担当。

俺はピアノを弾くから。

あっ、弦の調整はしてあるから安心して」



私はよくわからないままそれを受け取る。



流れ的に、アピールタイムは2人で演奏するってこと…だよね?


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