独り占めしても、いいですか?
「それじゃあアピールタイムに移ります!

時間は3分!Lady……Go!」



優ちゃんの言葉を合図に、私はスタンドマイクに手をかける。



「え、エントリーNo.10番、1年10組 雛咲 日和ですっ…!

よろしくお願いします…!」



そう言って、マイクに頭をぶつけないように注意してから頭を下げた。



あっ……



ダメだ。



顔を上げてステージ下のみんなの方を見てからそう思った。



心臓バクバク鳴ってる。



みんなの視線を感じる。



鳥肌が立ってる。



これ、悪いパターンの時だ…



さっきまで平気だったのに…



ううん、弱気はダメ。



私は自分の意思でやるって決めたんだもん。



3分くらい、大丈夫。


< 461 / 721 >

この作品をシェア

pagetop