独り占めしても、いいですか?
♡♡♡



「お迎えのバス、もうすぐかな?」



「うん、もうすぐでくるよ!」



ママと手を繋いで、幼稚園のバスが迎えに来るのを待つ。



ママはウキウキして楽しそうだけど、私はそうじゃなかった。



幼稚園、行きたくないもん。



ママと繋いでいるこの手が離れてしまったら、もう夕方まで会うことはない。



そう考えると、ママの手が急に名残惜しく感じるようになった。



またあの2人に会わなくちゃいけない。



また、誰も私と話してくれないかもしれない。



そしてきっと、今日から始まる授業で、私は落ちこぼれ認定されるんだ…



気持ちと一緒に顔まで下を向いてしまったその時…


< 610 / 721 >

この作品をシェア

pagetop