独り占めしても、いいですか?
「他にどこがある?」



「……裏路地」



「まっさか〜、そんなわけ…ない、よな?」



チラッと細い薄暗い道を見た。



いやいや、あんないかにもヤバそうな場所、日和ならぜってー行かねーだろ。



「ここは人が多い。

日和は視線を集めるだろ。

裏路地なら、誰もいない」



透の言うことはもっともだ。



けど、だからって裏路地に入る可能性は…



「行ってみる…か?」



「ああ」



少し…いや、めちゃくちゃ怖いけど、足を踏み出した。



日和のためだ、やるしかない。



「ちょ、ちょっと入って、日和の名前を呼んで、返事がなかったら帰るからな!」



透がコクっと頷くのを見ると、俺達は手を握った。



透の手は冷や汗をかいていて、俺の手は少し震えている。



怖いけど、やるしかないんだ。



路地に一歩踏み出そうとした時…


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