独り占めしても、いいですか?
「なんだよ、またあいつか?」



休憩に入ったのか、凛がタオルを首にかけて近寄ってきた。



「うんっ!」



凛の奥では、透と優ちゃんがまだ撮影しているのが見える。



ビーチボールを使った撮影みたい。



秀ちゃんは監督さんと真剣な顔で話していた。



リーダーって大変だなぁ〜。



「最近あいつばっかりだよな」



「そうかな…?でも、朱莉といると楽しいよ?

凛も、朱莉と仲良くなればいいのに…」



「誰があいつと…」



私の隣に凛が座って、



「おいで」



と言いながら手と足を広げた。



私はコクンと頷いて凛の中に座る。



いつものように凛が腕を回して、背後から抱きしめた。



ドキッ



心臓が少しだけ揺れる。


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