物理に恋して
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小さな箱を手にすると、突然、美月は下を向いた。


さらりと降りた髪に触れようとすると、ぽたり、と水滴が落ちる。






「せんせいに、こういうの、もらえるとおも、ってなくて、、っ」


震える肩で、声にならない声を振り絞る。


「美月、」


あのはにかんだような笑顔を見れると思い込んでいた。

だから。

目の前にいる美月の、ただ、その名前を呼ぶことしかできない自分がいて。




泣いてる美月を、涙を、声を、そのすべてを抱きしめたいのに。





一瞬、動けなくなった。
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