オセロガールの計算違い3
て、言うか、
「あんたが、はじめって言わないでよ」
わたしだって呼んだことないのに。
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
あんた自分の前科わかってんの?
はじめちゃんがノリコを好きになるとは思えないけど(思いたくないけど)、ちょっとは(だいぶ)警戒してるのよ?
「それより早く行こうよ。講堂すごい人だかりだよ」
「嘘。。。。」
油断してた。計算違いだ。
「どうしよう・・・」
「どうしようじゃないよ。行こうよ」
「だって、まだ当番が」
「当番?」
というとノリコは、教室の誰に言うでもなく大きく、
「さとみがいなくても平気だよね?連れてくよ」
と声をかけた。
他のホール担当のコも、厨房のコたちもおずおずとうなずいている。
さすがは学年しめてるノリコだ。
わたしは、ごめんねーって言いながらエプロンをはずし、廊下に出て自分の姿に気づく。
こんな格好ではじめちゃんの前に行けない。
「着替えてくるから待ってて」
「そのままでいいじゃん」
「無理」って叫んで、更衣室へ駆け出した。
「あんたの店で茶ー飲んで待ってるからー」という声と
「言っとくけど、中学の時のあんたのスカートの方が短いからねー」
という声を後ろに聞きながら。

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