理由なんて君は知らないでしょ。

「だって、紗綾お腹痛いのにドーナツ屋なんて行けないよ...」


私の作ったクッキーでお腹壊した上に、私が菅谷くんに会いたいがためにドーナツ屋にまで連れていくなんて


私、結構酷いよ!?



「顔」


そう言って紗綾が私の顔を指さす。



「顔?」


その言葉の意味がわからず、私は首をかしげた




「結の私を心配してくれてる顔みたら、別にお腹痛いの平気になったわ」



紗綾...


「でも、あんたの作ったクッキーが原因なんだからドーナツくらい奢りなさいよ?」



「紗綾、ドーナツ食べるの?!」



「ふんっ、なーに?食べちゃ悪い?」



「...あはっ!奢るよ!」



今の紗綾、とても優しいって思ってたけどやっぱりいつもの紗綾だ


そんなこと思いながら私たちはドーナツ屋に向かった。




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