理由なんて君は知らないでしょ。



「うっわ〜、混んでるね〜...」


100円セールということもあり、30ほどしかない席は私たちが来た頃には満席だった。

学生が多いな〜。


私はキョロキョロと店内を見渡す。


すると、


「あっ!紗綾、紗綾!菅谷くんいた!」



隅の方の席に私たちと同じ制服を着た男子たちがいた。


もちろん、その中には菅谷くんがいる。



「うーん、でも結さん。菅谷くんの近くの席空いてないどころか、どこも空いてないよ」



そうなんだよなあ。

菅谷くんの近くに座って話しかけられないかな、って思ったんだけど


それもなかなか難しい



「...そだね。今日はドーナツテイクアウトして帰ろう」



放課後にも菅谷くんを見れたんだから十分すぎる!

また、来週の火曜日まで確実に見れる日は来ないな〜


そんなことを思っていた時、


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