好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「優しくするから」

「…っ、う、ん…」



額、頬、耳、首筋…─────唇。




次々とキスが降って来て、全てが甘くとろけそうになる。




「大志…、好き…っ」

「っ、ホントずりぃ…。俺だって好きだよ」




その夜、私は大志から甘い痛みを教わった。





***



「……い、まーい」

「ん…」

「起きろって」



目が覚めたのは、次の日の朝だった。



ボヤボヤとした曖昧な視界の中で、目の前に微笑む大志が映る。



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