好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「まーいちゃん」

「っ、」


が、同じ屋根の下にいる以上、大志もリビングへと降りてくるわけで。




「…今朝のご飯はオムレツがいいな」

「何、また俺に作らせる気?」


思わず、ドキドキを誤魔化すかのようにそう言った。



「私も手伝うって。お味噌汁くらいなら作れるよ?」

「組み合わせ微妙じゃね?」

「いーから、いーから!」



背中を押して、2人でキッチンへと入る。



昨日のことでドキドキはするけど、何処か幸せだった。


今更だけど、大志と本当の恋人になれた感じがする。






────この時の私は思いもしなかった。



大志の想いを、疑う時が来るなんて。




「あ、やべ!焦げた!」

「あははっ、バーカ」



私は今、幸せな日々を送っている。




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