好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「つーか俺、桐谷が桐原への愛を語ってるの聞いてたし」
「……は?」
そのセリフには、本気で目が点になる。
愛を語るって…、俺そんな事した記憶ないんだけど。
「ほら、図書室で」
「図書室……」
必死に思い出そうとするけど、やっぱりそんな記憶……。
「……あ」
「思い出した?」
…あった。
確か、隣のクラスの女に告られた時
…って。
「お前、あれ聞いてたのか!?」
「だって俺図書委員だし」
「それ早く言えよ!」
思い出した瞬間、自分でも顔が赤くなるのがわかる。