好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「この店、防犯カメラ付いてるの知らないんだ?」

「な…!!」

「調べれば映ってるだろうね。今のことも、……昨日のことも」

「…っ、」



ふっと不敵に笑う大志に、藤田さんの顔はどんどん青ざめていく。


痛めつけてるのは大志だけど、今この話を聞けば誰が悪いかは明らかだろう。




「この店にも舞の前にも、もう2度と現れるな」


次は警察に突き出す、と。


大志がそう脅せば、藤田さんはそそくさとお店から出て行った。





「よし、これで解決だな」


そんな藤田さんの後ろ姿を見届けると、大志は振り返ってヘラっと笑いながら私を見る。



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