好きだと伝えたくて。
けど、週明けの月曜日に登校すると、俺の隣は空席になっていて。


彼女は転校してしまっていた。


あのときほど後悔したことはない。


今は七年前だし、コクったところでどうにかなることでもない。


けど、もう後悔はしたくない。


この想いを伝えられるなら伝えてしまいたい。


それでフラれても、俺はきっと清々しい気持ちになれるだろうから。



「とにかく、行ってくる」


「頑張れ」


「ん」


「あ、そういや柳瀬、旧館の方に行ったぞ」


「旧館?」


「ん」



旧館といえば……。


きっとあそこだ。


確信めいたものを感じながら俺は旧館の方へ向かった。
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