Tell*You
「彼女じゃないし、あの子。
別の子からオレのこともキープしてるだけって後から聞いたし」
「嘘……」
「本当。
それにオレは好きな奴いたしー?」
トンと陽汰は肩をぶつけてくる。
それが妙に恥ずかしくて突き返したけれど。
今日だけは……素直になってあげてもいい……かな?
素直になれない自分に……さようなら。
「いつも喧嘩ばっかりだったけど……陽汰のこと本当に大切だった。
もちろん今も。
他の誰でもない陽汰のこと……好きで大切な人……」
上手く言葉が纏まらないけど……。
幾つもの出会いと別れが交差するこの世界に……あなたが隣にいてくれた奇跡は……
他の何にも代えられない。
「……はは。
奇遇だな。
それはオレも一緒」
雨の降りしきる外の玄関先で2人座って雨を眺める。
その陽汰の手に自分の手を静かに重ねる。
幸せだ。
でもこの当たり前の幸せは当たり前なんかじゃないんだね。
さよならは言わない。
だってまた会いに行く。
何度だって。
だから今だけは先のことは全て忘れてこの瞬間に寄り添わせて…────────