ホットジェル
彼女はほとほと困った顔で、少しだけ離れた距離に座った。地味に傷つく。
「照れてんの、かわいいね、秋月さん」
「照れてないから」
「なら近づいても大丈夫だな」
本当に自分で自分の首を絞めてんな、秋月さん。可愛くてしょうがないよ。
少しだけ距離を近づけたらほんのちょっとだけ顔を赤くした。
「塗ったらすぐ帰りますから」
オイルを両手に取って、腕をさすられた。揉み込むように塗られて、ちょっと複雑な気分だ。紛らわすようについ揶揄ってしまう。
「塗り方やらしくない?」
「どの辺が!?」
「全体的に」
「口閉じてください、この変態」
じんわり暖かくなってきた。たしかにこれは冬にもってこいかもしれない。彼女の手が小さい、今までの彼女の中で一番小さいと思う。
できました、と彼女は顔を上げた。
少しだけほぐれた柔らかい笑み。
だから、
彼女の肩を押して、倒して。
彼女の上に乗っかって、キスしてなんて、自分でも予想外だった。
「…やらしい顔してるから」
暴走するまで、3秒。