イジワル男子の甘い声
「柏場くんはさぁ…なんで勉強頑張っているの?」
柏場が作ってくれた問題を解きながら、質問してみる。答えてくれるとは限らないけれど。
「学生の本分だから」
「え、理由それだけ?」
学生の本分は勉強です、って大人に言われたところで、はいそーですねって少なくとも今の私はそう返事できない人種なもんで…。
全然気持ちがわかりませぬ。
「勉強は、ちゃんとやった分それなりの成果が出る。その逆も同じ。だから嫌いじゃない」
「成果…」
「自分を裏切らない。ほら、さっさと問題解く」
「あ、はい」
そう返事をして、チラッと柏場の顔を見る。
頬杖をつきながら参考書を確認している。
この時の柏場の目が、なんだかすごく寂しそうに見えた気がした。