イジワル男子の甘い声


「オムライス」


っ?!


後ろから、低い声がボソッと言ったのを私は聞き逃さなかった。


「柏場くん、オムライスがいいの?」


「なんでも作るんだろ」


「うん。そうだけど…」


びっくりして固まってしまう。
あの柏場が、自分から食べたいものを発したなんて。


「なんだよその変な顔」


「いや…その…なんでもない!オムライスね!わかった!了解したっ!」


珍しいとか、意外だったとか、びっくりしたとか、言いたいことはたくさんあったけど、そんなことを言って、また柏場の気に障ったらそれこそ面倒くさいからやめた。


素直に、食べたいって言ってくれたのが嬉しいし…なんたって。


初めて柏場に作ってあげたご飯がオムライスだったことを思い出して、なんだか嬉しくなる。


また食べたいって、思ってくれたんだ。


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