イジワル男子の甘い声





「ふ〜いい湯だった〜」


テストの疲れと、歌いすぎて酷使しすぎた喉をお風呂でゆっくり休ませて癒してから、自室のベッドにゴロンと寝転ぶ。


今日もパパは会社の人とご飯を食べてくるらしい。


最近は、私がメッセージを送らないと、返してくれないことばかり。


返ってきても、そっけない返事ばかりだし。


私が寝静まった後に帰ってくるパパは、私が起きる時間にはもう仕事に行ってしまっている。


もう数日、顔なんて見ていない。


パパはもう…私のことなんてどーでもいいんだろうか。


そんな考えがよぎった瞬間、


ピロン♪


携帯の通知音が鳴った。


『sakuさんが配信を始めました』


っ?!


最近、動画投稿も生配信も減っているな、と思ってたけど。


このタイミングで始めてくれるなんて。


寂しさが一気に薄らいでゆく。


< 143 / 374 >

この作品をシェア

pagetop