イジワル男子の甘い声
点数を見る前に、まさかこんなことになるなんて。
「でも、お前にしては本当によく頑張ったよ。どうやって勉強したんだ?」
ごめんなさい先生。
もうあなたの声なんて聞こえません。
そう思いながら、ゆっくりと貰った用紙の点数の欄を確認する。
はぁ…。
ん?!
へ?!
思わず三度見してしまう。
「へ、96点?!」
驚きのあまり、大きな声でそう読み上げてしまう。
嘘でしょ。
反対じゃなくて?!69点の間違いじゃなくて?!
「本当に惜しかったよ。その2問さえあってれば100点だったのになぁ」
「……っ、」
泣きそうになりながら、グッと堪える。
バカァ!!紛らわしいんだよ先生!!!
いや…まぁ、そうか。
先生はもともと、私が85点以上を取らないといけないなんてミッションが与えられてるなんてこと知らないものね。