イジワル男子の甘い声
はぁ…。
なんてこった。
視界は、柏場の上半身でいっぱいだ。
すぐ上から、スースーと寝息が聞こえる。
お酒の匂いと、微かにちゃんと、柏場の匂い。初めてここのうちに来た時に借りたタオルケットもこんな匂いだった。
変だな…。
他人の匂いだって言うのに、ちょっと落ち着く気もする。
背中には柏場の腕がピタッとくっついて全然離す気がなさそう。
背中から熱を感じて、ドキドキしてしまう。
バカみたい。相手はあの性悪男柏場なのに。
こいつがsakuだから?ちょっと顔が整っているから?
ベッドの上にはちょうど窓があって、カーテンの間から差し込む月明かりが私と柏場を照らしてる。