イジワル男子の甘い声
*
「…何してんの」
っ?!
出来上がった厚焼き玉子を切っていると、背後から声がして、振り返る。
「あ、えっと、おはようございます」
起きたばかりのはずなのに、寝癖は見当たらないし、昨日あんなに酔っ払って寝てた人とは思えないくらい相変わらず整った顔だ。
「なんでいんの…ったあ」
柏場はそう言いながら、頭を抑える。
これがいわゆる、二日酔いってやつか。
「何にも覚えてないの?」
なんでいんのって、ノアに頼まれて仕方なくだし…自分は昨日、あんなことしたのに、よく涼しい顔してそんなこと言えるよな。
っていうか、二日酔いのくせに涼しい顔ってなんだよ。