イジワル男子の甘い声


「自分を置いて消えていった生みの母親と、裏切った育ての母親に対してじゃないかな。特にカオリさん。ざまぁみろ、してやったぞって」


「でも…柏場くんは…その気持ちをお母さんたちじゃない他のみんなへの気持ちにも混同してる気がする…」


「うん。そうだね。そこら辺、不器用だから、優作は。それくらい、彼にとってその頃のショックと父親の病気は大きい重荷なんだと思うよ」


ノアはそういって、珈琲ゼリーをまた一口食べる。



「双葉ちゃんが自分の気持ちに素直になって、優作に話す時、彼も答えてくれるんじゃない?」


「えっ。私の…気持ち?」


伝った涙を拭いながら、聞き返す。


「好きなんでしょ?優作のこと」


っ?!


まただ。


またこれ。


本日2回目。


顔がボッと熱くなる。


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