イジワル男子の甘い声
「…だからなんでお前にバカ扱いされないといけねーの。こっちのセリ─────」
「何回でも言うよ!バカ!バカ!大バカ野郎!私は、柏場くんのお母さんでも薫さんでもないよ!女、女ってひとまとめに言わないで、一緒にしないで!」
「おまっ、誰から…まさかっ」
こいつの口から、大嫌いな名前が聞こえた。
閉じ込めていたのに。
勝手にこじ開けてきた。
「私が会いたかったのは…ノアでもsakuでもないよ。目の前にいる、意地悪ですぐ怒る口の悪い柏場優作だよ!もう目の前にいない人のことずっと引きずって閉じこもってばっかりで…私はいつだってちゃんと、柏場くんを見てる!過去ばかりじゃなくて…今を見てよ」
「……っ、」
「勝手に事情聞いたのは悪いと思ってる。だけど…知りたくてたまらなかった。だからノアに協力してもらった。…こんなこと…普通ならしない。だけど…」
急に口ごもって俯く今井。
髪の毛の間から少し見えている耳は真っ赤だ。