イジワル男子の甘い声
[優作 side]


ほんとそういうところ、どうにかしてほしい。

あんなにキラキラした目で無邪気な笑顔を向けてくるんだから。こいつはほんと、そういうところある。


俺に勉強を見てもらって結果が良かったときも、俺のおかげだってさっきと似た笑顔でありがとうなんて言ってきやがったんだ。


自分はなんの価値もない、誰からも必要とされていないんだって思って生きてきたのに。


こいつにこの笑顔を向けられるたびに、そんなことないのかもしれないと思えてくる。



「柏場くんは、プラネタリウム見たことあるの?」



バス停でバスを待っている間、彼女がそう聞いてくる。


「あぁ、一回だけ」


「そっかぁ…すごい?」


「あぁ、あんまり覚えてないけど」


まだ事務所に入って間もないころ、あまりにも外に出ない俺をノアが連れ出した時に連れてきたのがプラネタリウムだった。


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