イジワル男子の甘い声
『11:30の上映が始まります』
私たちの沈黙を破るかのように、そんなアナウンスが流れた。
「行くぞ」
「あ、うん…」
結局聞けなかった。
勇気出して話したのに。
せっかくの楽しいプラネタリウムなのに。
こんな気持ちで見るなんて。
「双葉」
っ?!
突然腕を引かれたかと思うと、バチッと柏場と目があった。
慣れないな…何度合わせても恥ずかしい。
「何誤解してるのか知らないけど、お前が心配することは何もねぇ」
「……っ、」
別に柏場を信じていないわけじゃない。
自分に自信がない。
柏場を満足されられる彼女に私がなれるんだろうかとか、柏場は私といて本当に楽しいだろうかとか、前は考えなかったことばかり。