イジワル男子の甘い声
──────ガチャ
あ、自分の家のドアに手をかけるとすんなりと開いた。
パパ帰って来てる!
あ、でも…この状況をどう説明しようか。
とりあえず、友達の家にお世話になったとか、朝の支度のために早めに帰って来たとか、色々並べれば大丈夫だろう。
格好は、昨日の制服のまま。
玄関に入って、物音を立てないように静かにローファーを脱いでから、リビングまでの廊下を歩く。
やっぱり、おんなじ間取りなのにさっきいた部屋とは全然違う場所だ。
パパの靴は確かにあったのに、見渡しても姿がない。
ちゃんとパパの顔を見て挨拶するつもりだったけど…。
鍵を家に忘れた、なんて話したら呆れられるかもしれない。
わざわざ言う必要もないかもしれない。
─────ガタッ
物音がしたのは、パパの部屋。