イジワル男子の甘い声


そして、朝見たばかりの引き出しを開けて中からブツを取り出す。


このグループの中で、彼を好きになったのは私が最初。



それから徐々に周りもハマり出していったのだ。ミカなんて、初めは「顔隠してるんでしょー?絶対顔かっこよくないじゃん」なんて言っていたのに。


今は、私以上に彼の情報に敏感。


「じゃーん!sakuが初めて雑誌に載ったときの写真!」


部屋を出て、これでもかってドヤ顔でみんなにそれをバッと見せる。


「うっわ!まじか!これめっちゃレアじゃん!」


「首から下はちゃんと映ってるし!」


「足なっが…」


ミカだけじゃなくて、他の子達もこれは見たことない子多かったみたい。


「ね?こんなの見ちゃったらさ!顔面もすこぶるいいんじゃないかと思うわけですよ!」


「うんうんうん!」


「っていうかあんなイケボがクラスメイトだったら絶対気付かない?」


みんなはたちまち彼の話で盛り上がる。


< 60 / 374 >

この作品をシェア

pagetop