イジワル男子の甘い声
そして、朝見たばかりの引き出しを開けて中からブツを取り出す。
このグループの中で、彼を好きになったのは私が最初。
それから徐々に周りもハマり出していったのだ。ミカなんて、初めは「顔隠してるんでしょー?絶対顔かっこよくないじゃん」なんて言っていたのに。
今は、私以上に彼の情報に敏感。
「じゃーん!sakuが初めて雑誌に載ったときの写真!」
部屋を出て、これでもかってドヤ顔でみんなにそれをバッと見せる。
「うっわ!まじか!これめっちゃレアじゃん!」
「首から下はちゃんと映ってるし!」
「足なっが…」
ミカだけじゃなくて、他の子達もこれは見たことない子多かったみたい。
「ね?こんなの見ちゃったらさ!顔面もすこぶるいいんじゃないかと思うわけですよ!」
「うんうんうん!」
「っていうかあんなイケボがクラスメイトだったら絶対気付かない?」
みんなはたちまち彼の話で盛り上がる。