イジワル男子の甘い声


私にとっての今の癒しは完全にsakuしかない。


学校の通学中も、寝る前も、彼の声にはいつだって元気をもらえる。


携帯にイヤホンを差して、耳にイヤホンをはめる。


『…たくさんのコメント本当にありがとうございます』


透き通るような綺麗な声が私の耳に届く。


sakuだ!


『ではみなさんの質問に答えていきます』


さっきまであった寂しい気持ちがだんだん癒されていく。


不思議だ。


彼の声には温もりとか優しさがある。


sakuはみんなからの質問に淡々と、時にはこっちまで笑顔になる可愛い笑い声を出して答えていく。


好きな食べ物はなんですか。

苦手な食べ物はなんですか。

今、恋をしていますか。

今までの歌ってきた曲の中で一番のお気に入りはなんですか。


みんなの質問は止まらない。
ずっと楽しそうに話すsakuはやっぱりすごくいい人だ。


ベッドに寝転がりながら彼の声を聴いてると、寂しさが和らいで、耳が癒される。


だんだんと自分の瞼が重くなる。


sakuの声が少し遠のいて…。


『最近、身の回りで変わったことはありましたか…んー、あ〜、隣に新しい人が引っ越してきました』



彼がそう話した時には、私はもう夢の中にいた。



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