イジワル男子の甘い声


薄くて血色のいい唇に、細くて高い鼻。


シュッとシャープな顎は日本人離れだし、なんといっても、その彫りの深い目元とガラスのようなグレーの瞳に吸い込まれそうになる。


この芸術品みたいな顔、知ってる。


「…ノ、ノア…?モデルのノアだよね?!」


思わず目の前のハーフに指をさしてそういってしまう。


メンズ雑誌の専属モデルで、最近はイケメンすぎるとテレビにも出たりしている。


絶対にノアだ。


って言うか、なんで大人気モデルのノアがこんな庶民的なスーパーにいるの?!


「どうも〜」


そう言って一歩近づいてきたノア。


いやいやいやいや!


目の前に、画面越しで見る芸能人が!


「俺のこと知ってるんだ〜!嬉しい。優作の彼女ちゃん、名前なんて言うの?」


モデルの時はクールな表情が多いのに、テレビで見た時みたいに、意外とよく笑う人だ。


まだ、ちょっと、目の前のノアの存在が夢なんじゃないかと疑う。


「あ、えっと、今井─────」


「彼女じゃないから」


っ?!



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