イジワル男子の甘い声
「行くぞ」
「へ?」
柏場は、自己紹介しようとした私に声を被せると、ガシッと私の手首を捕まえた。
「え、ちょっと、柏場くん?!」
「優作〜せっかく久しぶりに親友に会えたのにその態度?」
「うるせぇ。親友じゃねーから。行くぞ」
まるで柏場の悪態には慣れてるようなノアに柏場は睨みを効かせながら私の手首を掴んだまま、振り返って歩き出した。
「あっ、ちょ!」
柏場はカップラーメンが大量に入ったカゴをそこに置いたまま、ずんずんとスーパーの入り口へと進んでゆく。
聞きたいことがあるのに、あまりの歩くスピードの速さについていくのに必死だ。
「…か、柏場くんっ!」
スーパーを出て少しして、柏場が私の腕を離した時、息を切らしながらその背中に声をかけた。