花と君といつまでも(完結)
9月3日を前日に迎えた今日。
水原家と月島家で明日の打ち合わせをしていた。

俺の母はいないから、向こうの両親とサユリと俺・親父の5人で行われた。


「いやぁ、水原くんに純也くん
ウチの娘を幸せにしてやってくれ」

「当たり前じゃないかぁ
ウチのせがれのこともよろしくなサユリちゃん」

「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」


まず親同士の挨拶から始まった。
次に明日の段取りや婚姻届の提出日などの話になった。


「お父様、お母様。それから水原のお父様も、私は結婚式の後その足で提出に行きたいと思ってるの」

「おぉいいじゃないか!」
「うん いいわよ」


俺以外の4人は凄く楽しそうだ。
そろそろ言うべきだな。

そう思った時


「純也くんの希望はあるかね」

優しそうに月島のおじさんは言った


「婚約を、破棄させてください。
俺には愛する人がいます。お願いします。」


「何言ってるんだい、純也くん。これはもう決まった話なんだよ」


おじさんは笑顔だが目が笑ってない。
でも、ちっとも怖くない。俺は紫苑としか結婚する気は無い。


「サユリ、お前の事なんか愛していない。
これからも愛することは無い。」

サユリの母親が泣いた。
俺は両親の前で酷いことを言ったかもしれない。



「...矢崎紫苑。もうすぐ死ぬよ」
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