【番外編】狼社長の溺愛から逃げられません!
「そういえば、今日少し時間あるか?」
思いついてそう聞くと、紗英が嬉しそうにこちらを見た。
「なに? デートのお誘い?」
「お前、アメリカ人の恋人と結婚間近なんだろ」
と、紗英の冗談を聞き流す。
「土産、選ぶの付き合ってほしいんだけど」
「耀がわざわざお土産を選ぶなんて珍しい。なにが買いたいの?」
「口紅」
短くそう言うと、紗英が目を見開いた。
「は? なにそれ。まさか、彼女に?」
なんでそんなに驚くんだよ、と思いながらうなずく。
「私、付き合ってたときに耀からそんなのもらったことないんだけど?」
憤慨する紗英に、あきれて笑う。
「付き合ってたって、ふりだけだろ」
「そうだけど……! 女にそんなもの贈るタイプじゃなかったのに!」
「ほかの男にもらったグロスを無邪気につけてるから、むかついた」
古賀に対抗して口紅を贈ろうなんて、我ながら心が狭いと思うけど。
「耀、恋人をそんなふうに束縛するような男じゃなかったのに!」
紗英はなぜか怒ったようにそう言ってこちらをにらむ。