【番外編】狼社長の溺愛から逃げられません!


「……なんか腹立つ」
「なんでだよ」
「耀が幸せそうだから」
「幸せなのは、お前だろ?」

プロデューサーとして成功して、恋人との結婚も決まって、幸せの絶頂といっても過言ではないのに。
どうして俺のことでそんなに怒るんだ。
理解できない、と首をかしげる俺のことを、紗英がじろりとにらむ。

「耀って、意外と鈍感よね」
「どういう意味だよ」
「悔しいから、教えてあげないけど」

そう言って紗英はこちらに顔を寄せた。
驚いて瞬きをしている間に、一瞬だけ唇が触れる。

その瞬間を待ってました、というように周りにいたマスコミのカメラが一斉にシャッターを切った。
婚約者がいるのに、人前で平然とほかの男にキスをする紗英に、思わずあきれる。

「お前、そうやって誰彼構わずキスして、恋人を妬かせて面白がるのやめろよ」

アメリカ人だけど妙に固くて嫉妬深い紗英の恋人のことが気の毒でそう言うと、紗英は大きくため息をついた。

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