キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
まるであのお地蔵だけ無視をされているような、そんな違和感があった。


「あの出店のお兄さんならなにか知ってるかも」


そう言ったのは沙良だった。


「そうだね。あの人は町のことにも詳しそうだし、教えてくれるかもしれない」


あたしは頷く。


けれど、あのお兄さんがどこの人なのか、名前もわからないままなのだ。


屋台を出していた男性というだけで探すのは、難しそうだ。


「それなら、もう1度図書館へ行ってみよう。もう夕方だし、人が増えてるかもしれない」


寛太がそう言った。


図書館にいればこの町のことをもっと詳しく知る事ができる。


それに、人に話を聞く事も可能だ。


「そうだね。この女性の名前だけじゃなにもわからない。とにかく、今は行動し続けるしかないもんね」


沙良がそう言い、一番に立ち上がった。


さっき思いっきり泣いたことでスッキリしたのかもしれない。
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