キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
あたしたちは向かいあようにして座り、沙良がペンとメモを取り出してくれた。


「なんだかインタビューみたいで緊張するわね」


そう言って笑うお姉さん。


「あの、この町には昔イケニエ制度があったんですよね?」


あたしがそう聞くと、お姉さんは頷いた。


「そうよ。この町の歴史を読んだのなら、それは間違いないことよ」


「あの河に女性を流していた」


「えぇ。昔はあの河がよく氾濫して、死者も大勢出ていたの。けれどある時、若い女性が河に流されてしまった。その人は運悪く救出されることなく亡くなってしまったんだけど、その年は河が氾濫することがなく、作物にも被害が出なかったの」


お姉さんの話は本で読んだ通りのものだった。


これほどスラスラと教えてくれるということは、隠すべき歴史ではないということなんだろう。


イケニエがあったのは遥か昔のことという認識なのだ。
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