キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
毎年お祭りを行い、死者の魂も沈めている。


だからこそ、学校の課題で調べたいと嘘を言っても許してもらえたのだ。


「私はイケニエがあった時代のことを知らないけれど、その時代の話はいろんな大人たちから聞いたのよ。


絶対に忘れちゃいけない歴史だからって。お地蔵の手入れもね、町全体で行うのよ。1つ1つ丁寧に、感謝の気持ちを込めて掃除するの」


「そうですよね。お地蔵はどれもとても綺麗でした。でも……」


そこまで言って、あたしは寛太を見た。


寛太が小さく頷く。


「1つだけ、手入れのされていないお地蔵がありました」


「え?」


あたしの言葉にお姉さんは驚いたように目を丸くした。


「そんなハズないわよ。ひと月に1回手入れしているもの」


「手入れされていないお地蔵は、少し離れた場所にありました。歩道側です」


あたしがそう言った瞬間、お姉さんの顔色が変わった。


一瞬にして青ざめて、視線が定まらなくなる。
< 162 / 242 >

この作品をシェア

pagetop