キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
その豹変ぶりにこっちが驚いてしまう。


「そんな地蔵は見た事がないわ」


お姉さんはそう言い、席を立った。


「待ってください! まだ聞きたことがあるんです!」


慌てて止めるが「ごめんね。そろそろ仕事に戻らないと」と、そそくさと逃げて行ってしまったのだった。


それから他の人たちにあのお地蔵について聞いてみても、誰もが一様に『知らない』と答えていた。


まるで町中で口裏合わせでもしているような状態に、不穏な空気が感じられた。


そして終電間際、あたしたちの宿泊施設を用意してくれたお兄さんが図書館へとやってきた。


「悪いけど、今日は施設に先約があって泊めてあげられないんだ」

< 163 / 242 >

この作品をシェア

pagetop