キミが死ぬまで、あと5日~終わらない恐怖の呪い~
☆☆☆

信じるか信じないかなんて、聞いてみないとわからないのに。


心の中でそう思いながら、あたしはぼんやりと沙良を見ていた。


沙良は先生が用意してくれた氷を頬に当てて冷やしている。


「今どき殴り合いの喧嘩なんて珍しいわね」


保険の先生はそう言い、クスクス笑った。


沙良が一方的に殴られたのだとは言えなかった。


「沙良、大丈夫?」


「大丈夫だよ。痛みは引いたし、ちゃんと冷やしたら腫れないと思うし」


「そっか……。でも、沙良のファンはショックだよね」


「クラスメート以外には黙っててね」


「うん」


黙っていたとしても、きっとすぐに噂は広まるだろう。


それでも内緒にしてほしいという沙良の優しさに、あたしはほほ笑んだのだった。
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