赤髪の彼
「なぁ、名前は?」


「あ、笛田あゆみです」


「あゆみ、でいいのかな?」



少し遠慮気味にいう彼はてれてるみたいだった。

ヤンキーでも照れるんだ。



「あ、ダメだった?」



答えないあたしにもう1度彼が聞く。



「あ!ううん!大丈夫!」



少しかわいいかな、なんて思ってた。



「おい、スマホ出せ」



今度は命令口調。
彼の言葉にスマホを出す。



「貸して」



あたしのスマホを強引に奪い取る。
あたしの意見なんてお構い無しだ。

ヤンキーは照れるし、強引。
今日覚えたこと。



「おうさか、かいり?」



あたしの画面を見て、なにやらつぶやく。



「あ、LINEの画面そのままだったね」



さっき友達としていたLINEがまだ表示されてたままだったようで慌てて彼からスマホを奪う。



「そいつのこと嫌いなの?」


「え?」


「いや、嫌いって書いてんじゃん」



そういえばとさっき入力した画面を見る。

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