赤髪の彼
「回ってなかったのかよ。あいつらと」



少し経って、帰ってきた西島くん。



「うん、待ってた」


「そーか」



あたしの向かいの席に腰をかける。



「なぁ、弁当。食べれなかった」


「残ってるよ」



1度閉じた弁当箱を再び拡げる。



「先に食べられたのムカつく」



むすっとしながらあたしが作った料理を口に運ぶ。



「なんで、そんなに逢坂くんにライバル視するの?」


「そりゃ…」



言いかけてやめてしまう。



「陽菜?」


「は?」


「陽菜が好きなのが逢坂くんだったから?」



あたしの言葉に彼は何もこたえない。
あたしにはそれが肯定にしか聞こえてない。


やっぱりあたしじゃない。
西島くんが好きなのはあたしじゃない。
だいたい好きなはずがないじゃん。

あたしが告白したんだし。
って、好きじゃなかったあたしが好きになってますけど。

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