たったひとつの愛を君に



「蜂くん、あのね、話があるの。」

思い切って切り出した。

「うん、なに?」

「あのね、私と、別れてほしい。」

「どうして?俺といると迷惑かけるとでも思ってる?」

まるで見透かされているかのようだ。

「違う。他に好きな人が出来たの。ネット上の人だけど、私と同じ病気で闘ってる。その人と一緒になりたいと思ったの。勝手だって分かってるけど…。」

そう一気に告げると少しの沈黙。


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